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備長炭の名前は人名に由来する

 元禄時代に紀州・田辺の炭商人・備中屋長左衛門が新しい炭を考案、販売したことにちなみ、中屋左衛門の字を取って「備長炭」の名前がついた。そのため、備中屋長左衛門が炭を焼いた田辺市秋津川は「備長炭の発祥の地」に指定され、現在も日本一の備長炭生産地として知られている。
 炭には大きく分けて、木グズを原料にして整形した「オガ炭」、広葉樹を炭化させた「黒炭」、上記のような方法でつくられる「白炭」の3種類がある。
 「白炭」は、カシの木を窯に入れ、徐々に乾燥させて炭化したら、窯の口を大きく開いて大量の空気を送り込む。窯中の温度が1000度以上になった頃に真っ赤に焼けた炭を窯から出し、灰をかけ消火してつくられる。表面に灰がかかって白いことから「白炭」と呼ぶが、断面は銀灰色で、叩くと金属音がする。「白炭」のなかの最高級品を「備長炭」といい、火は着きにくいが、高温で火持ちがいい。
 「備長炭」は、日本農林規格(JAS)により、三浦式硬度15度以上と定義されている。三浦式硬度とは、鉛を1度、鋼を20度とし、その間の硬度を20段階に分けたもの。そのため、硬度20度の備長炭はノコギリでは切れないため、ハンマ−で割ることもある。
 「備長炭」は和歌山県、高知県、三重県、静岡県、宮崎県などでその多くがつくられる。これはウバメガシなどの原木が入手しやすいことによる。また、外国産のものも輸入されている。
 細い「備長炭」は、火がつきやすく火力が強いが、早く燃えてしまう。太いものは火がつきにくいが、長持ちする。そのため、焼き台が細く強い火力を必要とするやきとり屋では細めの「備長炭」がよく使われるようだ。

●どうして「備長炭」をつかうのか?
◎1000度以上の高温になり、火持ちがよい。
◎炎が立たないため、食材の焦げつきの心配がない。
◎臭いが出ないため、食材の風味を損なうことがない。
◎高温になりやすく、旨味を素早く閉じ込めることができる。

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